緋の残影 *炎の蜃気楼② 感想
今作は冥界上杉軍主要キャラのお披露目といったところでしょうか。
千秋修平(元・安田長秀)、門脇綾子(元・柿崎晴家)
冥界上杉軍にはもう一人色部勝長というメンバーがいるんですが、彼はまだこの時点では乳幼児なので、しばらくは出てこないね。
千秋と綾子、この二人は勿論戦力としても頼もしい二人なんですけども、もう一方で高耶と直江の最大の理解者と言ってもいいでしょう。特に千秋は何だかんだ言いながらこの二人の保護者の立場だよなww
「おまえだけは、永久に許さない」
とりあえず高耶と直江に30年前、「美奈子」を巡って何かが有った事が伺える巻。
それは後々明らかにはなるわけなんですけども、この2巻では高耶の複雑な家庭環境とそれ故の強さと弱さが垣間見えるものでもあります。
結局周りの大人から助けてもらえず、一人で耐え、負った傷も一人で治し続けてきたが故に、折れる怖さと折れてしまってからの再生の仕方を分からない人に育ってしまったようです。これは上杉景虎としての弱さというより仰木高耶としての弱さなんだろうとは思います。
まぁ幼少時代あまり周りに恵まれなかったのは景虎とも似てる部分はあるように思うけども。
そんな折に出会った、見返りを求めずに自分の盾になり自分を守ってくれる人の存在を知ってしまった訳で、自分の弱さも自分で見えかけるんだけども結局目を背けてしまうわけです。
ゴチャゴチャと書いてきましたが、今回の舞台も長野県松本。
多田加助の貞享騒動、所謂加助一揆が取り上げられています。
江戸時代の百姓一揆はいろいろありますが、結構歴史上でも大きな一揆だったんですね。学校ではあまり習わないとは思いますが、調べてみると、この多田加助氏も実在の人物でした。
当時年貢の標準ラインは二斗五升だったのに対し、藩は加助たち農民に三斗五升に引き上げることを通達。
これに対し、加助たちは年貢の引き下げを要求。
一旦藩は加助達の要求を呑んだ形で引き下がらせ、後日年貢引き下げを撤回。その上で加助たち一気の首謀者はもちろんその家族に至るまで磔獄門、打ち首となった。
処刑者の首は市中にさらされる等、残忍な扱いを受けた。
磔台の加助は恨みを込めて松本城の天守をぐっと睨みつけ
『二斗五升だぞ!忘れるな!』
『二斗五升!!二斗五升!!』
と最後まで絶叫したという。
別に彼らは、藩に変わって政治をしたいとか天下を取りたいとかそんなことは思ってなくて、ただ年貢を標準ラインの二斗五升に戻して普段通りの生活を送りたかっただけなんだろうなと思います。
明治に入り、この加助たちは自由民権運動等の活動の際に人々の心の拠り所となり義民として、現在も手厚く供養されています。
直江の言葉が、私の中では非常に印象に残っています。
「彼らに報う手段を持っているのは今を生きる人たち。過去を正しく捉え、彼らを正しく理解して、彼らの望んだ世の中を今現代で実現するよう努力することが一番の彼らへの供養である」
そんな彼らの霊を利用して動いたのが、今後当面の敵となる織田信長の配下、森蘭丸。
いろんな作品で信長や蘭丸は最後のラスボスとその参謀に書かれている事を目にする印象があるんですけどね;;
そしてやはり、譲の存在が今後、物語を大きく動かしていくことになりそうです。
蘭丸も譲の正体を解っているような節がありますね。
まだまだ2巻はサイキックアクションですw
まぁ要所要所で、のちのちに繋がる表現や伏線はあるわけですけどね^^
さて、拍手返信です。ありがとう。
>ゆまちゃん
炎の蜃気楼はそれこそ、私の学生時代ずっと連載されてたからね~^^
思い入れのある作品なんだよww
うん、初めて会った時に布教しようとした覚えがある←
てか、図書館に普通に置いてあるもんなんだねこれ・・www
ゆまちゃんも日本史は好きだし、BLが大丈夫ならそれなりに楽しめる作品ではあるかな^^
人を選ぶのは確かだと思うけどwww
今度遊ぶ時に、良かったら見てって^^
我が家に全巻ありますので←
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